常栄寺の歴史

常栄寺は、江戸時代初期の頃より約400年の歴史を有します。寺伝の過去帳によると、寛永16年(1639年)6月8日に示寂した正教法師を第一世とします。

寺は創建当初、浅草烏越の地にありましたが、元和3年(1617年)、本願寺十二代宗主・准如上人が築地本願寺の前身・浅草御堂を浅草横山町に創建したとき、当寺もこれに従って浅草へ移転しました。

降って明暦3年(1657年)正月、江戸の大火により、本願寺はもとより当寺も灰壗に帰しました。
幕府は本願寺に対し、八丁堀海上、方百問の土地を代替地として付与しました。これを埋立て築地本願寺が建立されるに至り、当寺も同地に移転しました。

築地時代には、元禄、享保、天明と、度々災いを受けましたが、大正12年(1923年)の関東大震災による被害は殊に甚大で、本堂・庫裏をはじめとする堂宇の悉くが灰壗に帰してしまいました。しかし、本尊(江戸時代中期の作とされる)と過去帳たけは難を逃れることかできました。当時の住職・信秀法師が身命を賭して守ったのだと伝えられています。(境内には信秀師の筆に成る常栄寺誌碑が建っています。)

翌13年、現在地の烏山へ移転し、昭和7年に本堂を再建しました。
その後、平成3年に庫裏・客殿の建て直し、平成24年に山門の建て直し、25年には本堂の修復・耐震化工事が行われています。